クラシック音楽掲示板


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過去記事 <<(全1000件)>>

From nujikoa( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/30 01:19

交響曲は得意分野でないnujikoa

skunjpさんと違って、本当です。(笑)

僕は・・・10個挙がらないかもしれません。
(そのくらいの得意分野外ということで)


●ベートーヴェン#3

 演奏はなんでもいいです。
 この曲は僕が一番数多く聴き比べをした曲です、たぶん。
 快速テンポ系、ゆっくり泰然自若系、爆演系・・・どれも良い。
 駄演がほとんど存在しない曲です。(曲が良い証拠)
 最近のもので良かったのは、
 ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響。
 これも「古楽器かモダン楽器か」と議論することがあほらしくなってくる名演です。

●ベートーヴェン#9

 テンシュテット指揮ロンドン・フィル。
 前に投稿した通りで最近ハマっています。
 何回繰り返し聴いても飽きませんねー

●シューベルト「未完成」

 クライバー指揮ウィーンフィル。
 定番ですが・・
 クライバーの「凛々しさ」の最たる演奏。ハードボイルド。
 
●ブラームス#3

 ダニエル・ハーディング指揮
 ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン。
 メリハリが(少し過剰に思えるくらい)効いている。なのに品格があ驕B
 あとは、現在注文中のエードリアン・ボールトに期待!

●ブラームス#4

 「これで決まり!」という演奏がなかなか挙がらないです。
 (曲自体が大好きな分、要求が高すぎるのかも?)
 いろいろ記憶をたどってみて、
 今は売ってしまって手元に無い、
 チェリビダッケ(ミュンヘンpo)の海賊版が一番良かったかもしれません。
 落ち着きのある第1楽章。失禁者が出そうなほど美しい第2楽章。

●ドヴォルザーク#8

 アーノンクール指揮ロイヤルコンセルトヘボウ。
 大自然の中で森林浴する気分。
 葉緑素豊かで健康に良い演奏です。

●マーラー#4

 クールでありながら水も滴るブーレーズ指揮クリーヴランド。

●マーラー#9

 ノイマン指揮チェコ・フィル。
 skunjpさんと同じです。
 聴後・・・ただただ放心状態になる以外無い・・・そういう質の感動です。


***やっぱり10個挙がらなかった〜(苦笑)

というわけで、番外編に頼ります。
筋金入りの番外編。男の中の男、ならぬ番外の中の番外。

●シューベルト#5 第一楽章の冒頭部分

 グールド(p)

映像ソフトから。若きグールドが、対話しながら
 It's shy music...
と言って弾きはじめるのがこれです。
 普通なら「骨と皮」になりかねないピアノ版のはず、なのに
 オーケストラ以上に瑞々しく、詩的!

●L.モーツァルト おもちゃの交響曲

 携帯電話の内蔵着メロ

 
 ・・・お粗末さまでした!m(_._)m

でも実際、使っております。(^^)






From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/29 22:18

(注)洒落のつもりで読んで下さい。

マタイがあればオペラは要らない。グールドがあれば交響楽は不要。

juncoop さん、かつて僕がグールドの魅力に出会った頃の話です。
私は悪魔と取引きして、グールドに心を売る代りに交響曲を捨てました。

そーいえば当時、グールドのイギリス組曲がどうしても欲しい。
が、お金が足りないという状況下にあって、資金手当てのために
手持ちのカラヤンのCDを全て中古屋で処分したこともありました。

血気盛んな頃はその重厚なサウンドに痺れた僕も、今ではすっかり〜
という訳で、青春を思い起こしながら選んでみました。
(ちなみに●は直球、◎は変化球、★は魔球で、順位に意味無しです)


●ベルリオーズ:幻想交響曲
  バレエ好きの僕としては標題性(物語性)の強いコレはお勧め
  2楽章のワルツ、そして4&5楽章が特に。

●R・コルサコフ:シエラザード(交響組曲だけど・・・)
  同じ理由でこれも外せない一枚。ウィーンPhでどうぞ♪
  (ともかく音出しの下手なオケでは聴かない方が良いです)

●モーツァルト:プラハ
  モーちゃんにしては珍しく不気味な導入部がいい?
  25番にしようか迷ったけど、こっち(38番)でいきます。

●モーツァルト:ジュピター
  やっぱり第4楽章の二重フーガは凄い!と思う。
  バッハの影響を強く感じるところです。

●ベートーベン:4番
  僕の生オケ初体験で興奮。札饗?北大饗?だったかは失念。
  CDで聴くならムラビンスキー&レニングラードなんて如何?

●ベートーベン:7番
  高校時代一番よく聴いたので(クレンペラーでどうでしょ?)
  でも今は・・・

●ブラームス:2番
  べト6よりはこっちの方が田園っぽい感じがするので好きです。
ミンシュ指揮パリ管などがヨロシイのでは?

●メンデルスゾーン:イタリア
最近は古楽派の標的になったメンデルスゾーンではありますが、
  ここはサバリッシュ&ニュー・フィルでいいでしょう。

◎ベートーベン:ウェリントンの勝利(戦争交響曲)
  世評の悪さなど関係なし。この単純に楽しめる大衆性こそ♪

★作者不詳:ラ・マルセイエーズ(なにしろこれ好きなもので)
  やっぱダメ?一応コーキョーキョク(公共曲)なんですが・・・


あれ?もう10曲言っちゃった。
「交響曲を捨てた」なんて偉そーなこと言っておきながら(^^;


ついでに言い訳。
ブルックナーが無いのは、本質的に交響楽と僕の肌が合わないため。
ベト9が外れたのは、現在進行形ともいえるマタイ・フリークとして
全く目が向かなかったからです。


From juncoop To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/29 21:29

今日の音楽



皆さん、こんばんは、今日はやけに疲れて、眠たいですーー。

★skunjpさん
さっそくのアンケートお答えいただき、有り難うございます。
特に驚いたのは、シューベルトの1番〜4番を挙げられたことですね。
私は、シューベルトの有名な、5、8、9番は聴くのですが、1〜4番というのは、未だに理解し難い難曲というか、わかりません。しかもそれらをベストに挙げられるのが凄いですね。また、ブルックナーの6番も掲げられているのがまた驚き!!ブルックナーといえば5番と6番についても難解な曲でありまして、それを理解されているのが恐ろしい。
サン=サーンスの「オルガン」については唯一、バレンボイムを聴いております。フランクについては、私も考えたのですが、あの重い循環動機というのもかなり苦しいというか、重々しい音楽、カラヤンについては、あまりにも遅いテンポのため、かなり聴けないものがあります。フランクについてはクレンペラーで聴いているのですが、なかなか聴きやすい。ショーソンはプラッソンですねーー!!最高の名演。はたまた驚いたのがベルティーニの「夜の歌」を挙げられているところですね。確かにあの「夜の歌」は第一楽章については 華麗+葬送行進曲風で聴きやすいのですが、第4楽章が未だに難解極まる音楽でもあります。
ベートーヴェンが全く上がっていないのがまた驚き!!そしてフリーデマンのシンフォニアですか?かなりマニアックな選択となっていたので、skunjpさんの好みがまた謎めいてきましたーー!!不思議な人だ!? 注目したいのが、交響曲ハ長調(デュカス)マルティノン/フランス放送ですねーー。前からデュカスについては気になっていたのですが、skunjpさんのお勧めとあれば、ぜひ聴いてみたいものです。



【今日の音楽】


●ベートーヴェン/交響曲第7番、第5番「運命」

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団

1956年/EMI(M)

前にもふれましたが、クレンペラーの60年代ステレオのベートーヴェン交響曲全集(EMI)はかなり遅いテンポのためちょっと間延び気味でがっかりなのですが、この1956年のモノラル録音の7番と運命はかなり凄まじい、激しい情熱を感じますね。とても活気のある演奏です。クレンペラーの素晴らしさは50年代かもしれないと、最近思っております。



From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/29 22:39

skunjpの選ぶ 交響曲名演名盤10

またまたアンケートの季節がやってきましたね。
実は今朝も教育関係のアンケートに答えました。
・・・図書券1000円貰えるというので。(^^;;

交響曲は僕の得意分野ではありませんが、今まで特に印象に
残った演奏をつらつら書き連ねてみましょう。


1.シンフォニア集(フリーデマン・バッハ)
   ジーン・ラモン/ターフェルムジークバロックO

 言わずと知れたバッハの放蕩息子です。
 父の楽譜を散逸させた張本人ですが、なかななユニークな味の
 奇想にあふれた楽想は、やはり天才の産物。親の教育の成果?

2.交響曲No33,36(モーツァルト)
   ヨッフム/バンベルク響

 実に木綿の手触り。素朴な洗練。太い生命力。

3.交響曲No1〜4(シューベルト)
   ムーティー/VPO  
  
 このあたりは瑞々しくて良いです。まだ恐ろしくない。(^^;;
 「深淵」以前のシューベルト。ムーティーが成熟して、渋いダン
 ディーな魅力をまき散らす。

4.交響曲No6(ブルックナー)
   サバリッシュ/バイエルン放送
 
 爽快なブルックナー。緩徐楽章の安らぎ。

5.交響曲No7(ブルックナー)
   マタチッチ/チェコp

 荘厳なマッターホルンの岩壁が目の前に突っ立つ。

6.交響曲No8(ブルックナー)
   ベーム/VPO

 あまり評価されていないのが不思議。実は、力と
 充実と潤いに溢れた演奏。

7.交響曲No7(マーラー)
   ベルティーニ/ケルン放送

 マーラーの認識を変える、誠に「構築的」な演奏。
 情にではなく、総合的な感性に訴えてくる。
 マーラーの音楽の持つ<建築学的な力>が凄い。

8.交響曲No9(マーラー)
   ノイマン/チェコP

 美しい!あまりに美しい錦秋の響き。  
 世界は、緩慢な日没に向かっている。

9.交響曲No4〜7(シベリウス)
   ベルグルンド/ヘルシンキ放送

 人っ子一人いませんねー。
 太古の深い森と湖に、我ひとりさまよう。

10.交響曲No3(サン・サーンス)
    デュトア/モントリオール響

 これは名曲です。
 演奏も、夜の海にかかる満月を見るように典雅。



番外1.交響曲No2,3(オネゲル)
     カラヤン/BPO

 凄い曲です。また演奏も凄い。
 他の演奏をはるかに引きはなす壮演です。

番外2.交響曲ハ長調(デュカス)
     マルティノン/フランス放送

 古典とロマンがいい案配に融合した、実に良い曲
 ですよ。デュカスはピアノソナタもグー。

番外真打ち.
   交響曲ニ短調(フランク)
     カラヤン/パリ管

 昨夜寝ながら聴きました。
 おかげで眠れなかった。
 天下の名盤です。渾身のカラヤンは彼らしくないが、
 そこが良い。ブラッシーな金管。完璧なハーモニーの
 木管(日本のオケにはこれが無い)。感じきった弦。

番外極めつけ

  交響曲変ロ長調(ショーソン)
   プラッソン/トゥールーズ
   ジョルダン/スイスロマンドO
 
 なぜか気になるショーソン。室内楽も良いです。
 
     


To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/28 22:35

アンケート!貴方の選ぶ交響曲名曲名盤10

またまたアンケートをお願いしたくなりました。

さて、貴方のお好きな、古今を問わず交響曲名曲名盤10とは?

juncoopの場合

●シューベルト/未完成 ワルター指揮ニューヨーク・フィル

数ある未完成でも、やはり代表的名盤!!

●マーラー/復活 シノポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団

この演奏を超える復活は未だに聴いた事がないほどの名演!

●シューマン/交響曲第2番 コンヴィチュニー指揮ゲヴァンハウス管弦楽団

とにかくゲヴァントハウスによるいぶし銀のような、渋い演奏が素晴らしい。

●チャイコフスキー/交響曲第4番 ムラヴィンスキー指揮レーニングラード・フィル60年代

かなり戦闘的で、情熱的な解釈は、カラヤンの60年代の名演と並ぶ!

●ベートーヴェン/合唱付き カラヤン指揮ベルリン・フィル

この第9の爆発するような激しさと情熱は、フルトヴェングラーですら及ばないと思う。

●R.シュトラウス/アルプス交響曲 ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレ

Rシユトラウスを得意とするカラヤンですら、及ばない名盤。ケンペの優れた解釈とドレスデンの渋い響きが最高!

●ベートーヴェン/運命 クレンペラー指揮フィルハーモニー管50年代

60年代晩年のクレンペラーはかなり遅いテンポに失望させられるが、この50年代の演奏は、かなり情熱的!!大いなる感動をもたらす。

●チャイコフスキー/交響曲第5番 カラヤン指揮ベルリン・フィル80年代

カラヤンの演奏でもかなり優れた名盤。演奏と録音と共に最高といえる。

●メンデルスゾーン/スコットランド クレンペラー指揮フィルハーモニア管

この曲については、モノラル時代のケンペか、ステレオのクレンペラーに感動する。

●ブラームス/交響曲第4番 カラヤン指揮ベルリン・フィル

C.クライバーの名盤もあるが、カラヤンの凄まじい演奏にはやはり圧倒される。


まだまだ出てきますが、とりあえず、10の名曲名演。



From juncoop To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/28 21:35

今日の音楽

皆さん、こんばんは、今日はちょっと暖かったですねーー。

DVDの方も、いろいろ11月21日頃には、発売されるようで、楽しみです。

◎バーンスタインのマーラー/交響曲

◎シノポリとバイロイトによるタンホイザー全曲

◎マイスキーのバッハ/無伴奏チェロ全曲

◎バレンボイムとバイロイトによるトリスタン等。


まあやはり歌劇中心ですね。しかし、リヒターのマタイと、ヨハネのDVD化と、グールド・コレクションのDVD再発が待たれるところ!
また、ニュルンベルクのマイスタージンガー全曲をスイトナー指揮ヘルリン国立歌劇場によるDVD化も待たれるところ!


一方、カール・リヒターのブルックナー/交響曲第4番については、まだまだ聞込みの最中で、コメントは差し控えさせていただきます。

ところで、ヨッフムのマタイなのですが、ちょっと考えるところがありますねーー。確かにヨッフムのミサ曲ロ短調、クリスマスオラトリオ、ヨハネ受難曲はかなり素晴らしいのですが、マタイとなると、そうは行かない!!マタイは、なんといっても、リヒターの録音がありますし、クレンペラーについても無視は出来ないです。ヨッフムのマタイについては、あまり聞き込みはしていないのですが、というよりも、何回も聴きたいとは思わないというのが正直なところなんです。リリングの旧盤のマタイについても同じような印象がありました。
カラヤン、ヨッフム、リリングのマタイは、ちょっと、好みに合わないのかもしれません。やはりリヒターが強烈な印象があるからでしょうね。ヨッフムのマタイはちょっと優しいすぎるのと、訴えが弱い感じがあります。


【今日の音楽】


●バッハ/管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066

カール・リステンパルト指揮ザール室内管弦楽団

1960年/アコード

このリステンパルトの1番は、かなりの名盤ですね。ドイツ的でしっかりした演奏なのですが、明るいところはフランスの管の名手が参加していることもあるのですが、かなり透明感あふれる、洗練された演奏となっています。この演奏は、万人受けする演奏だと思いますね。癖もなく、ドイツ伝統を受継いだ、正統派の解釈といいましょうか。説得力のある演奏であります。このリステンパルトの組曲全集は、かなりレベルが高く、juncoop推薦盤です!!




From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/28 17:42

ガーディナー? 好きですよー

juncoopさん、僕のことなので、いつまたモノサシが激変する
かもしれません。(-_-;)

あまりリヒターばかり聴いていると反動があったりして。

これを避けるため、リヒターだけではなく、いろんな演奏を
聴きたいものだと思っております。

たとえばヨッフムのマタイとか・・・

ガーディナーのカンタータは大体持っています。
ライブで少し雑なところもありますが、やはり大指揮者の解釈!
うならされる所が多いです。
(あとカウンターテナーさえ良ければねー(^^;;)

それからガーディナーのマニフィカトは僕にとって決定版ですよ。
好きですねー。ガーディナー。\(^o^)/

※今朝は珍しくトッカータとフーガニ短調を聴きました。
 リヒターの演奏は、「リズムの弾み」と「推進力」が凄い。
 これはグールドにも通じますね。

From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/28 17:47

続・マタイ受難曲 

nujikoaさん、お久です。(^o^)

お仕事大変ですね。お体お大事に。

>最近、不思議と体が古楽器の響きを欲さなくなり、ずしりと
 重い質感を欲するようになってきたようなのです。

そ〜ですか、僕も同じです。

やはり寒さがつのるとともに、体と心が高カロリーのものを
欲するのでしょうか?

冗談はさておき、こんな時代ですので、次第に本物にしか目が
向かなくなる、というのは事実でしょう。

テンシュテットの第九は知りませんが、僕はマーラーNo5の
録音を持っており、それが身震いのするような激しい感情移入
を伴う演奏でしたね。この人はガンで召されたのですね・・・

montさん、
仰るとおり、一昔前の取り澄ました古楽派から、真実の古楽派
へ、大いなる転身を試みているような気がします。
それでますます面白くなってきた。

マクリーシュも、ホットな演奏ですねー。
あれは小説にたとえれば、一般的な小説とは違う「私小説」の
世界だと思いました。

つまり、対象が限りなく聴取者に引き寄せられている。
内面の嵐と言おうか、劇場のドラマではなく手の届きそうな
距離にあるリアルな高級テレビドラマという感じです。

その方向性をさらに先鋭化させて、しかもマッシブな迫力さえ
加味させたのがグッテンベルクと言えましょうか。

あれは、家庭用といえどもドルビーサラウンド大画面の5.1チャン
ネルDVD的感動ですかね。

そうそう、グッテンベルクのマタイはDVD(映像)でも出て
ますよ。非常にエネルギッシュな指揮ぶりだそうです。

(あ、また財布を危うくしてしまうかな・・・堪忍(^^;;)

グッテンベルクの終曲合唱もユニークですね。
最後が一般の解釈とは異なり、フォルテではなくメゾピアノで
淋しげに終わるのです。

これはなぜか?と考えたんですが・・・
つまりこういうことじゃないでしょうか。

グッテンベルクは十字架の後「わが心を清めよ」あたりから、
復活への期待がありありと見えてくるような明るい解釈をとり
ます。最後の合唱曲の直前までそうなのです。
天国は自明のことであり、そこにお葬式の暗さは必要ない。

そこがグッテンベルクの凄いところであると思うのですよ。
マタイにおける「十字架以後の消息」を理解している。

事実、僕らの集会で行われる葬儀は、お葬式というより婚礼!
イエス・キリストとの結婚式のように明るいんです。

 ・・・しかしながら、遺族の悲しみは残る・・・

と言うわけで、天国に向いたウキウキと明るい気持ちを一旦地上に
戻して、イエス様を亡くした者の悲しみを配慮するための、あれは
一時的な哀惜の表現ではないでしょうか。

ならば、我々には聞こえませんが、あの合唱曲の先には、天国
において「婚礼の音楽」が喨々と鳴り響いているハズです。

続・マタイ受難曲というわけですね。(^o^)

・・・作曲はもちろん天国の楽長バッハであります

From nujikoa( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/28 02:51

プチごぶさたです・・・

nujikoaでございます。
最近、仕事が鬼のようにきつくて・・・
熱〜いmontさんの投稿を横目に見ながら、レスできずにいました。

(というか・・注文しているグッテンベルクが一向に届く気配が無いので、レスしようにもできないのですが。)

今ハマっている音盤はというと、

ベートーヴェン第九
クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル
1985年ロイヤル・アルバート・ホール(ライブ)

です。
いやー、第九は数年ぶりに聴きました。
なぜか敬遠していたのです。

本盤はテンシュテット初体験でした。
参りました。感動!の一言しかないです。

芯から鳴り切っている音が胸を貫く。
熱い、熱い、熱すぎるハート(でも空回りしてない)。
神秘的にしてダイナミック!
フィナーレも、「これしかない」という音の連続で、すべてがツボ・・・


ところで、
ちょっと個人的な告白をさせていただきますと
(そんなん誰も聞きたくないって?まぁ、まぁ)

しばらくの間、音楽(曲も演奏も)の好みが
「癒し系でさらり」方向に傾きすぎていたかもしれません。

最近、不思議と体が古楽器の響きを欲さなくなり、ずしりと重い質感を欲するようになってきたようなのです。

バッハでも、最近はレーデル、フルニエ、クレーメルという具合です。
(クレーメルも数年ぶりに聴きかえしましたが、こんなにまで重量級だったっけ?と驚きを新たにしました。)



From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/27 22:31

(マタイ聴き比べ)一口メモです

ゆうべはマクリーシュのマタイを聴きました。
話題の各パート2人づつで、合唱兼任の総勢なんと8名の歌唱陣!

夜中にしっとりと聴き込むには丁度良いサウンド効果(でも大変そう)ですね。
総じて古楽陣は発音が綺麗です。ヴィブラートも抑制され上品で聴きやすいし、
アマデオさんの言った「語りかける」雰囲気が良く前面で出ている感があります。

ただ、惜しいかな終曲の合唱が如何にも迫力不足。
これ一曲(終曲)だけ選んで聴く分にはそれでもいいのですが、
最初から通しで聴いて来て、最後の悲しみを歌う最大の盛上がり場面としては
やはりぐっと迫り来る感動は必要不可欠なのでは?(特にマタイのばやい)

せめてあと2〜3枚は欲しいところ(←こんな事言い出すときりが無い・・・笑)


対してアーノンクールの3回目の録音、これまた素晴らしい出来映えです。
何と言っても、声楽はもとよりアンサンブルにいたるまで、
音作りにおけるきめの細やかさは凄いのなんのって!
古楽の品性の良さがとても上手く表現されていて・・・

ただ欲(意地悪)を言うと、悲しいかな後に感動が残らないんですよね。

これって、僕の古楽的モノサシがまだ不足しているからでしょうか?

でも、ここで一つ言いたいのはマタイを聴く限り、世間で言われているような
「古楽は感情移入が無い(少ない)」なんていうのはぜったい嘘。
エヴァンゲリストなど随所で絶叫してます。それも感情マル出しで(嬉しいッ)


対するモダン(この言い方、自分でも嫌い・・・)では、
当たり前と言えば当たり前でしょうが、リヒターの旧録が出色の出来映え。
堂々たる正攻法。なるほどシェリングの無伴奏がお好きなjuncoop さんが
リヒターを推すのは実に理にかなっていると思いました。(納得!)

それに減七和音の「バラバー」が確信に満ちた際立ちでもの凄い効果。
でも天邪鬼mont_54 的には、フーガ「(イエスを)十字架に」の
「ダス イン クローイツィゲン」の方がもっと好きです。背筋に来ます。
早く新盤も買って聴きたいところ。(でも後の楽しみ、もチット先ですね)
テンポはリヒターにしてはめずらしく?(持続的に)遅めで迫ってきます。


その点で、ヨッフムは中庸のテンポ(敢えて中庸の芸術と私は言いたい!)
通しで2回聴いただけですが、これはこれでじゅうぶん感動出来ました。
中身の濃さに比べ安価だったので、コストパフォーマンスがとても高い。
(この点ではクレンペラー盤も同じことが言えます)


福音史家の出来では圧倒的にシュライヤー盤を挙げたいと思います。
もうまるで、マタイを歌うために生まれてきたような人(シュラちゃん)
のみ込まれそうになるほどのド迫力。
まるで昨日あった事や、見て来た事をそのまま伝えているかのようです!
その説得力とパワーは、断然他を引き離していると言えるでしょう。

ミュンヒンガーはまだ1回しか聴いていないので今回は外します。


さて真打ち(いつのまに?)グッテンベルグですが、
もうすでに何度か投稿したので、同じ事は書きません。
ただふと思ったのは、この凄さって色々なマタイを聴いた上でなければ
本当の値打ちは解らないのではなかろうか?

勿論それは、他盤どれにも言えそうですが、特にグッテンベルグのは
他盤との比較の中でないと魅力が充分に伝わらないんじゃ?
殊にリヒターのような作品自体の中に顕在化している価値とはまた違う。

だとしたら、それって逆にグッテンベルグの弱点にもなるのかな?って
そんな気がしてきましたよskunjp さん。(どないしましょ?・・・恐)

危うし!mont流モノサシ


うっひゃー、感動した分エライ長くなってしまったので、今日はここまで。
ヴォーカルの魅力については、別途また書きます(いや書きたいです)
ので皆さんよろしく。(^^ゞ

From juncoop To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/27 21:52

今日の音楽

皆さん、こんばんは、

skunjpさんの、カール・リヒターへの回帰は、正直驚きました。
というのも、リヒターについては、過去にかなり聴き込んでおられると考えておりまして、リヒターを卒業されてしまったのかと思ったからであります。最近のskunjpさんから察するに古楽器の演奏をかなり好んでおられた(鈴木、ヘレヴェッヘ、コープマン等)ために、再びリヒターに戻られたというのも、なにか心境のの変化でもあったのかと、思うからですね。
リヒターのカンタータを聴くということは、前にも何人かの方と話があったように、かなり構えて聴きますから、決してリラックス出来るものではありませんね。あの緊張感に満ちた演奏ですから、聞き手にまで緊張感を強いられる結果になります。しかしあの聞き手を釘付けにしてしまう演奏はやはり感動しますね。私は、リヒターについては、一生聴き続けるであろうと思います。あのマタイがある限り、決してリヒターを離れる事はないでしょうね。

ところで、今日は、初のDVDを見ております。


【今日の音楽】


●バッハ/カンタータBWV113,179,199

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ/モンテヴェルディ合唱団
2000年

DVDについては、梅田のタワーで見ておりましたが、まだまだ充実してない感がありますねーー。もちろん映像ですから、歌劇を検討していたのですが、名演があまり少なかったです。バッハ関係では、ガーディナーのこのカンタータと、リリングのミサ曲ロ短調、クリスマスオラトリオがある程度で゜ありまして、かなの不満がありますね。カラヤンのレガシーは結構あるようなんですが、リヒターについては皆無ですね。バイロイト物とか、バッハの器楽やその他オペラの充実が望まれますね。バーンスタインのマーラーですら発売されているのに、店頭にはない始末ですから、いかにCDの方が充実しているかが、わかります。

ところで、ガーディナーについては、ここのHPであまり誉める人が意外と少ないのも不思議なことですね。彼もかなりカンタータや宗教大作を録音しているのですが、ここではいっこうに話題にあがりませんね。
私はガーディナーについては、レオンハルトに比べて解釈が好きではありません。ちょっと速めのテンポを取りがちですし、アッサリしすぎている感じがありまして、味気ないというのも否めませんね。
ガーディナーについては、106番や、198番も聴いてはおるものの、あまり印象が残らない演奏でありました。今回のDVDのカンタータBWV113,179,199をちょっと念入りに聞込みたいと思います。聴きやすいといえば、聴きやすいガーディナーであります、はい。


From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/27 17:59

リヒターフィーバー真っ最中!

montさんがマタイフィーバーなら、僕はリヒターフィーバーです。

今、バッハ以外のスコアを少しずつ売りながら、リヒターを
入手中・・・こういうのをタケノコ生活と言うんでしょうか。

1.チェンバロ協奏曲全集を中古で安くGet!

2.オルガン作品集全5枚をどうするか検討中。

  1枚バラで持っているものを今朝、聴き直しました。
  オルガンソナタNo5と、シュプラーコラールが絶美!

3.カンタータ選集26枚は持ってて良かった。

  今朝聴いて気付いたことは、レティタティーヴォの表現にかなり
  力が入っていること。弦の和音の絶妙さ、そしてリヒター自身の
  オルガンの凝りまくりよう・・・!

From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/26 21:45

永遠のアイドル

リヒターは高校時代、僕のアイドルでした。

それは管弦楽組曲No2とカンタータ数曲という、まだまだ狭い
レパートリーに過ぎませんでしたが、僕には、Eフィッシャーの
平均律、ヴァルヒャのオルガン曲と並んで、本当にかけがえの
ない存在でした。

リヒターのカンタータの中でも特に、第56番「われ喜びて十字架を
担わん」は、僕にとって全世界に匹敵する重みを持っていました。
苦しいとき、悲しいとき、人生のここ一番というときに、いつも、
56番によって大いなる慰め、励ましを受けたからです。

56番、82番、そして21番の3曲、ここから僕のバッハという大海へ
の、精神の航海が始まったのです。

ですから、バッハのカンタータといえばリヒター、それで決まり、
はいさようなら、で終わっていました。

その磐石の評価を根底から突き崩したのが、アーノンクール、
レオンハルトのカンタータシリーズでした。

何という説得力!
<ここにしか真実はない>と、思えたものです。

僕はショックのあまり、それ以後リヒターが聴けなくなりました。
たまに無理して聴いても、あのヘビーで高カロリーのバッハ像
にはじき返されるのでした。

それから、30年近くたったいま、やっとリヒターが戻ってきました。
頭の中ではいつも「最高!」だったのですが、体が付いていけない
もどかしさ。今晴れてそこから解放されたのです。

なんでだろー、と思うにつけ、それは、僕の中で、古楽派の名演
を受容する、その積み重ねがあり、そして、一旦レオンハルトに
回帰して感動を取り戻し、その勢いをかりて、今まで越えられな
かった高〜いハードルを飛び越えたのです。

もちろんそれには、トーマス、マウエルスベルガー、ロッチェ等
モダンの指揮者たちの再評価の体験もからんでいますが・・・
リヒターのカンタータの世界には、懐かしくもまた比類ない感動の
世界が待っていました。

リヒターはやっぱり最高!
これが僕のカンタータ受容の総括であり、結論であります。

(やや大げさな記述が続きました ・・・ 汗)

手助けしてくださった掲示板関係者の皆様、
ことにjuncoopさんに深く感謝致します。

From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/26 20:41

惜しかったテューレック

montさん、そこまで極められましたか、グッテンベルク。
完全に追い越された感じです。

僕も歌手が素晴らしいと思います。
アルトは特に良いですねー、それと福音史家、それにイエス
役のメルテンス。

>もっとも私の場合、一度気に入ったら今度はとたんにディテ
 ールにこだわり出すという「困った君」で、特に人の魅力につ
 いては「微に入り細にわたり」こだわりたい欲望にかられます。
 それも度を越すと「誰かさんのうなり声」のように・・・

うん、それはそうでしょう。それが愛するということでしょう。

僕もグールドが影響を受けたテューレックに最近凝ってまして、
今日も、バッハキーボードアルバムを入手。
マグダレーナ音楽帖所蔵の小品から始めて、ファンタジーBWV917、
プレリュードとフーガBWV859、組曲BWV823、アリアとバリエーション、
イタリア協奏曲が入っています。2枚目にはフーガの技法が入って
いるということでワクワクもので家に帰ってよく見ると、これはチャールズ・
ローゼンなる別の人の演奏・・・!?

タイトルにはテューレックとローゼンが並べて書いてありましたので、
ローゼンはてっきり第二ピアノと思いました。(これって詐欺に近い)

さて演奏は、ノンレガート奏法による瑞々しくも品の良い、いつもの
テューレックぶし・・・好きですねー、この人の音楽。

音が引き締まっていて美しく、無駄がいっさいない。
とはいえ音楽は抒情味にあふれ、たおやかな気品がある。
全体的にとても考えられた現代的な演奏ですが、キリキリと締め付けて
くるようなエキセントリックなところが全くない。
これは素晴らしいピニストです。

一般にはグールドとの比較が気になるところでしょうが、僕は比較して
も意味がないと思う。表面的に似ていても、目指すところは全然別方向
と思うのです。
単に比べるだけなら、グールドの亜流に過ぎないと誤解されるでしょう。

実際、録音はソニーの1981年ですが、グールドと同じレーベルということ
で、同社のプロデューサーからスポイルされたんじゃないかしら?
この時期、ソニーはグールドを売り出すのに躍起でしたからね。

ですから、テューレックがソニーに居たのは不幸なことだったと思うので
すね。
もっと早くグラモフォンに移籍していれば、これほどの人だからメジャー
になれたでしょうに。その辺が実に惜しいです。


※フィーバーもテレマンまで行きましたか。
 でもお気持ち良くわかります。
 何を隠そう、この僕も昔テレマンのマタイ(レーデル盤)を買った
 口ですから。

From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/26 11:02

マタイフィーバー

フィーバー出している最中に座席を離れるのは良くない(何の話?)

実は私も良くないのです。
マタイを漁っているうちにテレマン(のマタイ)にまで
手を出してしまって・・・・(汗)


でもでも、
グッテンベルグこそは、マタイの演奏史上における一大革命!
と言っても過言ではありますまい。

アルトのアンケ・フォンダンクはいいですねー。(今やゾッコンです!)
なにしろ、ドイツ語の発音がとってもきれいで、
歌い方の美しさは逸品といえます。

例えばベタニアの塗油(アリア)

Buss und Reu に続く Knirscht das Sundenherz entzwei・・ 
クニーシュト ダス スウェンデンヘルツ エンツヴァ〜イ と頭のKを
無声音ながらもはっきりと発声してくれているのが何より嬉しいです。

私、学生時代にはドイツ語をほんの少しだけかじったこともあるのですが、
(それでいて↑このヒドい音読かい?・・・汗)
当時この録音が聴けたら、もっとまじめに勉強していたような気が・・・(^^ゞ

もっとも私の場合、
一度気に入ったら今度はとたんにディテールにこだわり出すという「困った君」で、
特に人の魅力については「微に入り細にわたり」こだわりたい欲望にかられます。

それも度を越すと「誰かさんのうなり声」のように
「惚れてしまえばアバタもエクボ」状態に陥ってしまい・・・(大曝

こうなればもう、ほとんど病気ですね。困ったモンだ〜


しかし、ベタニアでの女の涙の一滴が芳しい香油となるように、物の価値なんてものは、
それを受入れる人間の器次第では如何なるバリュエイトにもなり得るのですから・・・

マタイはそれを私達に教えてくれているようです。

From juncoop To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/26 00:47

RE:リヒターのカンタータ第140番

皆さん、こんばんは、


重厚さ、緊張感、訴えの強さ、厳しさ、スケールの大きさ、表現力の豊かさ、鋭さ、そして、荘厳さ、情熱的な表現。

以上は、まさに、私が演奏を聴いて感動する条件というモノサシでもあります。

バッハのカンタータの演奏で、いままで感動したのは、リヒター、シェルヘン、トーマス、マウエルスベルガーといった人達で、やはりロマン的な傾向が強いかもしれません。

日向さんに共感していただいた、シェルヘンのカンタータ第198番は、まさにそんな演奏で、それまで、198番については全く関心のなかった私は、シェルヘンの悲痛で胸に迫るような表現によって、その良さを教えられました。同じ事は、マウエルスベルガーの80番や、トーマスの54番、56番、82番にも言える事です。



「僕も今朝、久しぶりに(数年ぶりに)リヒターのカンタータを聴いてみたのです。140番・・・!最高でした。・・ずっとリヒターは敬遠してたのに。再発見できました。」


skunjpさん、共感していただいて、光栄であります。
このカンタータ第140番をリヒターで聴くまで、私は、マウエルスベルガー、トーマス、ヴェルナーで聴いていたのですが、どれもが軽い表現でありました。それなりの良さはありますが、はじめてリヒターを聴いた時、あの冒頭合唱のテンポは、とても驚嘆しました。しかも重いし、情熱的でもあります。それまでこの合唱については全くなんとも思っていなかったのですが、リヒターの演奏によって、この曲の良さを教えられたと言ってよいと思います。このリヒターの解釈は、彼のカンタータ第180番の冒頭合唱にも同じ事が言えます。あの180番の牧歌的なフルートを伴う合唱は、やはり他の演奏では軽く演奏されがちなのですが、リヒターは全く違いますね。ゆっくりとしたテンポで、重厚で荘厳な演奏は、大いなる感動をもたらします。


「まず、花婿の歩みを思わせる第1曲。耳に入るのは通奏低音の確たる訴えかけに満ちたライン!合唱が入る前のオケの部分で、すでに完璧な起承転結がなされている。十全なドラマがある。次いで、そこに加わる合唱のパワー。ミュンヘンバッハはプロの合唱団ではないのですが、それゆえにといおうか、プロにはない「無作為の真実」があり、それがリヒターの訓練を通して、ひとつの無私の意思によって統一された凄さ。」


私も、このBWV140の冒頭合唱にはとても感動するものがあります。あのゆったりしたテンポにコンティヌオの重く大地を踏み締めるような表現、そして、階段をゆっくり上り降りするような音階の重厚な低音、興奮してしまいます。決定盤CDでも申しておりますとおり、ハレルヤの部分の盛り上がり方は、かなり胸迫ってまいりまして、全身に震えがきますねーー。このような演奏は他では聴いたことがありません!!



「さらに加えて、ソロ歌手の充実。シュライヤー、マティス、F・ディースカウ、まさに千両役者の揃い踏み!これら大歌手の入魂の歌唱からもたらされるメッセージ性の深さと大きさ。それはまさに「人生的レベル」。最後に、バックのオケの充実。あの有名なコラール楽曲で、テノールを支えるオケの厚みは、ブラームスのシンフォニーを髣髴させます。」


このシュブラーコラールにも編曲された有名な「目覚めよ」のコラールのリヒターのテンポは恐ろしく、重厚で遅いものがあります。しかしその演奏は、荘厳で、胸に迫るものがありますねー。



「次のバス・レティタティーヴォの出だしもオケが非凡。非常に神秘的なピアノで、ここはブルックナーの神韻渺茫たる響きを連想させますねー。」



この部分はかなり感動するところですね。荘厳な弦の伴奏によるこのレチタティーヴォは、リヒターのマタイのイエスの語りにも通じておりまして、これがあるから、リヒターのバッハは感動すると感じております。この神秘的で、荘厳な弦は、リヒターならではの感銘を受けます。




「リヒターの中に最高度に結晶化されているモダン派の演奏様式はかくのごとく、ヨーロッパ音楽の<輝かしい遺産>の上に成り立っている、と痛感しました。そして、それらが違和感なく、ひとつの重く深いメッセージとして迫りえるのが、ひとえにバッハの偉大さなのではないでしょうか。」



本当に、私も同感しますね。まさにバッハの偉大さを感じざるを得ません。しかもリヒターという人の表現があるからこそ、バッハの良さは発揮されているのかもしれません。



「このような重厚な衣装をまとわされても、しっかりと受け止める力がある。むしろ、作品のスケールが途方も無く大きくなるのが、バッハのパワー、比類なき凄さなんですね。」


とても共感しますね。どんなにカラヤンが厚化粧をしたバッハを聴かせても、どんなにクレンペラーが大編成のオーケストラによる演奏をしても、バッハの音楽の価値は、決して損なわれておりません。時には、返って新たなる感動をもたらしたり、それなりの良さを感じてしまいます。バッハの音楽の懐の深さ、器の大きさを感じざるを得ません。
古楽器やモダン楽器や、編成の規模には関わらず、バッハの音楽は、偉大であるからこそ表現を選ばず、我々聞き手に大いなる感動をもたらすのかもしれませんね。



From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/25 20:23

ヨーロッパ音楽の輝かしい遺産

>重厚さ、緊張感、訴えの強さ、厳しさ、スケールの大きさ、表現力の
 豊かさ、鋭さ。
 これは、一昔前の演奏解釈ですねーー。
 バッハの演奏で代表されるのは、リヒターやクルト・トーマスなど。

juncoopさん、本当に、この掲示板はタメになります。

僕も今朝、久しぶりに(数年ぶりに)リヒターのカンタータを聴いてみた
のです。

140番・・・!最高でした。

・・・ずっとリヒターは敬遠してたのに。再発見できました。
  junさんのおかげです。


まず、花婿の歩みを思わせる第1曲。
耳に入るのは通奏低音の確たる訴えかけに満ちたライン!
合唱が入る前のオケの部分で、すでに完璧な起承転結がなされ
ている。十全なドラマがある。

次いで、そこに加わる合唱のパワー。
ミュンヘンバッハはプロの合唱団ではないのですが、それゆえに
といおうか、プロにはない「無作為の真実」があり、それがリヒターの
訓練を通して、ひとつの無私の意思によって統一された凄さ。

さらに加えて、ソロ歌手の充実。シュライヤー、マティス、
F・ディースカウ、まさに千両役者の揃い踏み!
これら大歌手の入魂の歌唱からもたらされるメッセージ性の深さと
大きさ。それはまさに「人生的レベル」。

最後に、バックのオケの充実。
あの有名なコラール楽曲で、テノールを支えるオケの厚みは、
ブラームスのシンフォニーを髣髴させます。

次のバス・レティタティーヴォの出だしもオケが非凡。
非常に神秘的なピアノで、ここはブルックナーの神韻渺茫たる響きを連想
させますねー。

そして、魂とイエスの2重唱を導くオーボエの感じきった可憐な
表情。この愛の2重唱はまるで、モーツァルトのオペラのようです。

リヒターの中に最高度に結晶化されているモダン派の演奏様式は
かくのごとく、ヨーロッパ音楽の<輝かしい遺産>の上に成り立って
いる、と痛感しました。

そして、それらが違和感なく、ひとつの重く深いメッセージとして迫りえるの
が、ひとえにバッハの偉大さなのではないでしょうか。

これが他のバロック作曲家の作品だったら、たぶん本来の持ち味が損な
われるかもしれない。

古楽派の鋭敏なフレージング、バロック的拍節感によって、バッハ
が新たな命を得ることは否定しません。それらの古楽派の演奏によって
僕らは新たな花園を得たのです。

しかし、一方でこのような重厚な衣装をまとわされても、しっかりと受
け止める力がある。むしろ、作品のスケールが途方も無く大きくなるのが、
バッハのパワー、比類なき凄さなんですね。

・・・バッハ万歳! (^^)

※montさん、またマタイ買われたんですか!
 マタイフィーバーですね。
 マタイは最高ですもんね。また感想を聞かせてください。

From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/25 02:05

「そうなんですよ」のお返し(^^

>演奏家は逆に、数多くのモノサシを持つことは好ましくない

>演奏家は自分独自のスタイルをしっかりと持って・・・

そうなんですね〜(生意気言ってごめんさい)
だって、グールドも言っています。

演奏家はたとえ盲目的であっても、自分のしていることが正しい
と信じなければいけない!

とネ♪


From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/25 01:56

幸福と不幸の距離

skunjp さん。
何時の間にか「モノサシ論議」になってしまいましたね。
でもこれってもの凄く音楽の本質に迫っているような気がします。

僕は最初、「モノサシ」を捨てる事が出来たらどんなにいいだろう。
もしも「モノサシ」から解放されたなら、良い音楽を手にするのでは・・
と思っていました。

でもjuncoop さんのお話を聞いていて感じたのですが、
じゃあ僕らは一体自分の「モノサシ」を捨てて生きていけるのかどうか?
果たしてそれが自分にとって、本当に幸福なのかどうか?
だんだん自信がなくなってきました(−−;

でも、死ぬ前に一度そういう境遇に至ってみたいような気もします。


ときにまた、今日もマタイを買ってしまいました(^^ゞ

でも、
良いもの(CD)は買わなきゃ損。良い音楽は感動しなきゃ損。

でしょう?


To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/24 21:52

juncoopのモノサシ

皆さん、こんばんは、休みの前の日は、とても落着きますね。
しかし、寒いですねーー夜は。

さて、モノサシというのも、いい表現ですねー。リスナーには、それぞれのモノサシという尺度がありますね、それは当然10人10色ですから、それが個性でもあり、その人の感性や、理論なのかもしれません。

当然、新たな試みをする演奏家には、前例がないとか、反感、抵抗、称賛、驚嘆などいろいろな受け止め方がありますし、そのモノサシを養う耳というか、いろいろ皆さんのおっしゃるとおりだと感じました。

モノサシがない場合、前例がないとか、経験がないとか、戸惑いや、困惑などいろいろ予想されまして、私も、かなり視野の狭いモノサシしか持っていないのも事実。

私の狭い範囲のモノサシは、以下のようなもの!

重厚さ、緊張感、訴えの強さ、厳しさ、スケールの大きさ、表現力の豊かさ、鋭さ。

これは、一昔前の演奏解釈ですねーー。
バッハの演奏で代表されるのは、リヒターやクルト・トーマスなど。

古楽器の演奏でも、レオンハルトを好むのは、やはりその影響も強いところがありますねーー。

まあ、こういう、懐古趣味みたいなものがありますから、頭の中を白紙にして、最近の演奏を聴くのはかなり、無理をしないと、自分としては、聴けないものがありますねーーー。

幅広い、演奏や解釈が聴けるような、モノサシを持ちたいものです。


From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/24 21:25

モノサシ 2               

>何時の間にか出来上がってしまう僕らの内なる固定観念
 (既成概念?) 「ウン、この曲の本質はこういうもんだ」という
 確信であり実は錯覚。

そうそう、そうなんですよmontさん。

でもこれも僕的には、ある種の「硬直したモノサシ1個」だと思うのですよ。

ですから、僕らはモノサシをたくさん持っているほうが、幅広く音楽を
受容することができると思います。
世界にはたくさんのスタイルの演奏があり、それが時代ごとに細かく
変容している。それらの演奏を楽しむためには、なるべく多くモノサシ
を持っている方が有利かもしれない。
バロックにおいては、少なくともモダンと古楽の2本のモノサシとか。
僕などは、いろんな演奏を数多く聴いて、モノサシの種類を増やす
ように心がけています。

・・・しかし・・・しかし、と僕は言いたい。

演奏家は逆に、数多くのモノサシを持つことは好ましくない、と思う
のですねー。

演奏家は自分独自のスタイルをしっかりと持って、それを研ぎ澄まし
限りなく他と差別化することで、個性を確立する事ができるのでは
ないでしょうか。

かつて、ある指揮者が「音楽の友」のレコード評を担当していました。
名前はあえて言いませんが、井どの上でつまさき立ちして踊るような
日本人にはまれなスリルにみちた演奏をするバレエ出身の指揮者。
(言うとるやんけ)

彼は、好き嫌いがとても激しく、自分の共鳴する演奏家はベタ誉め、
キライな演奏家はどんなに世評が高くても酷評でした。

でもそれは当然だと思うのです。

演奏家たるもの、自分の個性を発見してそれをつきつめるというこ
とは、あるひとつの解釈をベストとして先鋭化する行為である、と思う
のです。
つまり演奏家の仕事とは、ひとつのモノサシを一生掛けて研ぎ澄まし、
それを作品に適用して演奏に結晶化すること、だと思うのです。
「あれもいいなー、これもいいよ」ではイケナイ・・・

演奏家は得てして、他人の演奏は聴かないものです。
だから<演奏家は良い批評家にはなれない>・・・私見ですが。

ということは、僕ら一リスナーとしては、演奏家タイプ、批評家タイプ、
そしてその中間、いろいろあって良いと思うのですね。うん。


※今日は、ムターちゃんでバッハのヴァイオリン協奏曲を聴きました。
めくるめくような情熱的ヴィヴラート!

そして、つい最近中古でゲットした、テューレックのゴルドベルク。
この演奏は「旅」であり、同時に「人生」ですね。

From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/23 23:46

たまらずレスします。

「モノサシ・・・」ほんとそうなんですskun さん!

でも僕はもう一つの要因があると考えています。

それは、いろいろな同曲異演を比べているうち、知らずに、
何時の間にか出来上がってしまう僕らの内なる固定観念(既成概念?)
「ウン、この曲の本質はこういうもんだ」という確信であり実は錯覚。

幸いな事に、僕のグールドの場合は
彼の演奏が、僕の固定観念の遥か上を行ってる演奏だったという幸運。


To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/23 19:50

京都・バッハ・ゾリステン演奏会のお知らせ

☆☆☆ 第47回バッハ・カンタータ200曲全曲連続コンサート ☆☆

●とき :11月3日(月/文化の日)16:00開場 16:30開演
●ところ:日本キリスト教団 洛陽教会
     (京都市上京区寺町通丸太町上る 御所東向かい)
 
     *地下鉄「丸太町」下車出口1より徒歩10分
     *市バス「河原町丸太町」下車 西へ徒歩3分
     *京阪「丸太町」下車出口3より徒歩7分

1987年からスタートした、20年かけて200曲全曲演奏しようという試みです。今年17年目、200曲中、173曲目を迎えます(再確認したところ)。バッハの音楽手法の全てが盛り込まれたとされる教会カンタータ。どの曲もめったに演奏されることのない知られざる曲なのですが、どの曲にも新しい発見があり、聴く者の心にしみ入る音楽であることは、やはり音楽の父バッハと言われるゆえんでしょうか。今回はテイン
パニ、トランペットも加わる華やかなカンタータです。
辻井淳氏のヴァイオリン協奏曲第1番の演奏も聴きどころです。

BWV143 《わが魂よ、主を讃えよ》
BWV171 《神よ、汝の名のごとく汝の栄光もまた》
BWV172 《歌声よひびけ》
BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調

●出演
指揮:福永吉宏
独唱 ソプラノ:松田昌恵 アルト :福永圭子 
   テノール:畑 儀文 バリトン:成瀬当正

合唱/管弦楽:京都・バッハ・ゾリステン(コンサートマスター:辻井 淳)

●入場料 ¥3500(当日¥3800)
● お問い合わせ 
 京都・バッハ・ゾリステン ・/FAX 075ー341ー5741

♪主催:京都・バッハ・ゾリステン
♪後援:日本キリスト教団 洛陽教会、ドイツ総領事館、京都新聞社、朝日新聞
社京
都支局、毎日新聞社京都支局、読売新聞社大阪本社、日本経済新聞社京都支社、
産経
新聞社京都総局、KBS京都、京都ドイツ文化センター

From juncoop To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/23 19:43

京都バッハ合唱団 演奏会のお知らせ

「バッハアカデミー関西」教会暦によるカンタータシリーズ 第11回
「クリスマスオラトリオ」

2003年 12月14日 [日]

午後2時30分開演 (午後2時開場)

京都府民ホール・アルティ

J・S・バッハ クリスマスオラトリオ第1部〜第3部 BWV248
J.S.Bach Weihnachts-Oratorium I - III BWV248




演奏 バッハアカデミー関西
管弦楽 大阪チェンバーオーケストラ
合唱  京都バッハ合唱団
福音史家 波多野 均
指揮 本山 秀毅

当日¥4000(前売¥3500)

From skunjp( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/23 17:41

Re : 折り目正しい日本人について

>折り目正しい日本人について

アマデオさん、目からウロコでした。
そういう視点はありませんでした。
良い勉強になりました。今後もいろいろ書いてください。\(^o^)


juncoopさん、今朝はカンタータ133番をレオンハルトで聴き
ました。

いつも思うんですが、このシリーズのボーイソプラノは驚異的な
巧さですね。

ま、もちろん成人のような成熟した味わいはないですが、
それでも、音楽的な約束事をきちんとわきまえた上で、とても
奥ゆきのある、味のある歌唱ができている。
これは凄いことです。

133番のソプラノはセバスチャン・ヘニッヒ少年。
う〜ん、実にこれは聞きモノです。

このような、ヨーロッパの伝統がにじみ出てくるような、
音楽的な奥深さは、奥行きは、味わいは、なかなか日本の少年に
出せないような気がします。
これはやはり積み重ねた年輪、つまり伝統の勝利でしょうか?

いつかドイツプロテスタントのコラールを、ドイツの田舎の
おじさん、おばさんたちが合唱しているのを聴きましたが、同じ
ような感銘を受けました。ハーモニーの厚み、深みが圧倒的で、
こりゃ日本人の完敗と思いました。

・・・この辺のところを、皆さんはどう考えられますか?

From skunjp( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/23 17:57

モノサシ・・・

僕らが、ある演奏を聴いて「あまりピンと来ない演奏」と思うときが
よくありますね。
その場合、良くないと判断した基準がふたつあると思うんです。

 (・・・何や、いきなり(^^;;)

それは、僕らの中のモノサシを演奏に当てはめて、「あかん!」と
判断するケースと、もうひとつは、そもそも僕らの中に、その演奏を
計るためのモノサシがない場合です。

前者は演奏者の側の問題と言えますが、後者は僕らの問題であるわけ
です。それは、たとえば新人を聴くとき、よく起こりますね。

非常にレベルの高い演奏であっても、それが先端的な解釈をする新人
の場合は、僕らの中にそれを計るモノサシが形成されてないので、
「もひとつやな・・・」と勘違いしてしまう可能性がある。

これはとても恐ろしいことです。
それで一生、その人の評価を誤るわけです。

例を上げると、グールドはゴールドベルクで衝撃的なデビューを飾り
ましたが、あれを正当に評価しえた評論家は当時何人いたか?
吉田秀和さんは、さすがに最初から高く買いましたねー。
でも、あの時けなしたくせに、今はほっかむりして褒めている人が
大勢いると思いますよ。(~_~メ)

だから僕らは、ある演奏を聴いて「あかん!」というのは、よくよく
の覚悟がいると思うのです。それは、僕の中に単にモノサシがないだ
けの話かもしれない。それをネットを通して全世界に公表している
訳ですね。・・・・大げさかな(^^;;

そこで、本題。

僕にはヒラリー・ハーンのバッハが分からない。
あの吉田センセが褒めるのに、僕は「あかん!」と思ってしまう。

昨夜、ハーンによるバッハ/ヴァイオリン協奏曲がPCMラジオで
放送されてさっそくMDに落としました。

しかし・・・何やこれ? ・・・良くないのです。
凄いバカテクなのに、良くないのですよ。

まず、あのベト〜っとしたフレージング。そしてきついアタック。
それにかなり気になるのはヴィヴラートです。
彼女のヴィヴラートは、機械でかけたように一様で、感情の起伏に
呼応して緩急がつかないんです。だから「デジタル」のような音楽
になる。

最も悪いのはテンポ。・・・速すぎる!
モダン楽器を使った場合、あまり速いテンポを採用すると、音色の
重量感がわざわいして、牛刀で鶏をさく感じになる。
速いテンポは軽やかな音色の古楽器だから生きるのです。
(例外はグッテンベルク。モダン楽器で軽めに弾かせているから?)

最近のモダンは猫も杓子も速いテンポを取りますが、遅いテンポ
でもいいじゃないの。・・・遅くても差別化はできますよ。
(これはかのムッターちゃんが、いみじくも言っておられました。)

とうわけで、僕はヒラリー・ハーンはダメですね。
感性が受け付けない。

え、お前にモノサシが無いだけだろう?

  ・・・無言 (-_-;)

From アマデオ( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/22 21:48

折り目正しい日本人について

 すごくおもしろい投稿でした。日常感じたことからここまでふくらませるなんて、なかなかないことです。敬意を表します。
 そこで一言なんですが、バロック、古典派の音楽をする日本人はすばらしい演奏をする人が多い、というのには、きちんとした理由があると思うんです。それは、バロックや古典派時代の音楽は、時代別、国別、地方別にきちんとしたルール、美学が決まっていたということです。バロックであれば、「フィーグラ」という音楽表現上の決まりがありますし、その他にも、装飾法(フランスバロックなどは恐ろしく細かく決まっています。)、言語による「語り」の違いなど、押さえておくべき決まりがたくさんあります。古典派にも、バロック以降の音楽ですから、バロック期に見られた決まりが多く残っています。他に、地方による演奏習慣、ピッチの違いなど、音楽家が勉強しなければならないことはたくさんあります。それらをきちんと勉強した上で、多くの決まりを踏まえて表現活動をするというのは、日本人が得意とするところなのではないでしょうか。おおざっぱな言い方をすれば、クラシック音楽の歴史というのは、決まり、習慣を打ち砕き、個人の自由な表現を求めてきた、といえると思うので、ヨーロッパであれば、音楽的に古い習慣を残してきたオランダ・ベルギーあたりが古楽の中心となり、決まりを踏まえることが得意な日本人から優れた古楽奏者が現れた、というのは、大変おもしろいことだ、と思います。
 バロック、古典派の音楽と、それ以降の音楽では、「自由さ」の概念も異なるような気もします。バロック、古典派の音楽では、守らなければならないルールは多いのですが、反面、装飾、挿入句、和声は演奏者に任される面が大きく、そこで演奏者の趣味の良さが問われます。しかし、それ以降の音楽では、守らなければならないルールは少なくなりますが、作曲者の意図に忠実に、装飾なども許されないことが多いようです。僕は、前者の約束事に基づいた即興的な演奏に強く惹かれます。すごくおもしろいです。
 「古楽対モダン」という図式で論争をされることが多いと思いますが、僕自身が古楽を演奏もし、よく聞くということを踏まえて考えますと、その論争自体には意味はないと思います。大切なのはどちらが優れているか、ではなく、我々聴衆が、如何に自分の音楽を広げられるか、だと思うのです。僕は、モダンバイオリンも演奏しますし、持ち替えた時ははっきりと弾き方も変えます。どちらも好きで、それぞれに持ち味があります。そして、どちらも万能ではありません。語り口も違います。我々が音楽を聴くときに、バロック音楽や、古典派の音楽が、どのような表現方法で演奏されていたのかを知ることは、今まで見えてなかった新しい一面を知る、すばらしい方法だと思うのです。その時代に完成期を迎え、やがて消えていった音楽を我々が味わうために、我々が慣れ親しんだ方法だけでは不十分だと思うのです。当時の理想的な演奏、語り口、楽器の響きを知った上で、出来ればよく勉強した上で、現代人が演奏することに意味があるのではないでしょうか。僕は、古楽を知って、目を開かれたことがたくさんあります。聴き方の幅、味わい方の幅が拡がったのです。モーツアルトの音楽や、ハイドンの音楽なんか、ベートーベンも、ビックリするほど味わいが変わりますよ。

From skunjp( Mail ) To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/22 11:53

日本人とフォルム

先日、熊本の実家に行った際、母と一緒にN響アワーを見ました。
そこでとっても印象的だったのは、当夜の指揮者3人の対比でした。
オケはいずれもN響。

一人目は、名前は出しませんが、若〜い杉の木のように一本気の演奏
をする日本人指揮者です。(・・・言うとるやんけ)
曲はブルックナー4番の第3楽章。

流れるようにスマートなバトンテクニック!それは整理整頓のキチン
と行き届いた、現代的な合理性の勝利でした。
しかし、何か手応えが薄い。
ブルックナーのあのズシンと来る重みがないんですねー。

2番手は、ホルスト・シュタイン。
おでこの大きい、汗っかきの指揮者。
佳境に入ると茹で蛸のように体をくねらせ・・・あ、失礼(^^;;

いやーこれが良かった。
(ワーグナーのローエングリン前奏曲でしたっけ)
指揮はスマートでは無いですが、音楽の緩急がまるで生き物のようで
内にたぎる「音楽」が吹き出すような指揮でした。

最後は、フェルディナンド・ライトナー。
猫背の堅物老紳士ふう。指揮姿もとても不自由に見えます。
(演目はブラームス、ハイドンヴァリエーション)

しかしこれまた、そのボキャブラリーの乏しい指揮棒から、寡黙で
格調高いブラームスそのものの、あのシックで深い味わいがにじみ
出るのですねー。(^o^)

シロウトの母も、一人目と後の二人がまるで違うと言ってました。

ここで考えたこと。それは彼我の違い・・・

日本人指揮者一般の音楽作りの特長は(乱暴に言えば)テクニックは
凄いし、音楽のフォルムもしっかりしているんですが、時として肝心
の音楽的メッセージが希薄、ということ。
          (もちろん例外はいます。広上淳一さんとか)

しかしだからといって日本人指揮者はダメかというと、鈴木さんのよう
な素晴らしい人が存在する。最近は弟、鈴木秀美さんも指揮をしてこれ
また見事。さらには同僚のチェリスト諸岡さんの指揮も、とてもヴィ
ヴィッドで新鮮な棒。武久源造さんもちょっと変わってますが、内容
の濃い指揮をします。

こう見てくると、彼らに共通するのは、バッハから古典派くらいまで
のレパートリーなんですね。
そうして、音楽作りの特長として、「フォームの明確さ」が言えると
思います。とても「きっちりとした表現」が生きているし、逆にそれが
生かせる曲で成功している。

この辺は、きっちりと「折り目正しい日本人」の素晴らしい強みではな
いでしょうか。

これを逆から裏付けるような体験もしました。
それは、ホルショフスキーの晩年のライブ、フランス組曲No6。
これはフォルムが崩れていて、バッハが生きていなかった。
反面、同時に演奏されているシューマンのパピヨン(蝶々)はファン
タジーと霊感に満ちたあふれる名演になってました。

・・・ちょっと今回は反論が怖いですねー。

関係者の方々、わたくしの妄語妄言お許しください (-_-;)


※junさんに影響されて、そろそろモダン派のカンタータを聴きたく
 なりました。でもやはり中心はレオンハルトですね(^o^)

 montさんもはまって嬉しいグッテンベルク。
 僕も週末ゆっくり聴くとしましょう。
 

From mont_54 To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/21 23:49

グッテンベルグ:ワンポイントPR

お晩です、mont_54 です。
ニ晩続けて聴きましたが、これは聴くほどに凄い演奏です。

例えばイエスの捕縛、第27曲「私のイエスは捕らえられて〜」
ソプラノとアルトによるデュオの何という美しいハーモニーでしょう。

とりわけサビの部分、
「月も光も悲しみのあまり沈んでしまった」などはもう迫真の歌い。
利かせるソット・ヴォーチェ(=そっと歌う←いちおう洒落のつもり)

ここまでやるかい?
これじゃオペラもミュージカルも立場が無くなるでしょうに・・(笑)

夜中にコーフンして体に悪いの何のって・・・

skunjp さん、お互い歳ですから体にだけは気をつけましょう。(^^;



From skunjp To http://machikado.gaiax.com/home/juncoop/main at 2003 10/21 19:38

ヘルシーライフ

みなさん、お久し振りです。
juncoopさんも仰るとおり、最近の気候は体に悪い・・・

僕も体調が悪く、今日は早退して病院に行きました。
狭心症を疑って行ったのですが、筋肉痛、あるいは
肋間神経痛と言われ、ホッとしました。

でもやはり来年50というと年を感じてしまいます。

それで、今朝は鈴木さんのマニフィカトを聴きました。
何と言う清冽・・・!
ここに鯉やフナは住まないけど、ピチピチとはねる
山女や岩魚がいました。 (何のこっちゃ)

少々くたびれた体には低脂肪な爽やかさが嬉しい。

montさん、グッテンベルクよろしゅおますやろ。
本当に、古楽、モダンの無益な論争を葬り去る演奏。
・・・nujikoaさんも期待していてください。

鈴木さんのパルティータ!最高のおいしさ!
ちょっと脂の乗った山女でしょうか・・・

※juncoopさん、
 DVD関連は錯綜しすぎていて僕にはあまりわかりませんが、
 一台で、DVD、SACD、CDがばっちり良い音で聴ける
 装置が出て欲しいです。(ついでに映像も見れて。)

・・・そのうちいわるゆCDはなくなりそうな気配ですが、
   再生装置は確実に残るでしょう。